夢の欠片ーパニック障害な私ー

パニック障害と不安障害を抱え、 なんとか生きている私の日常。

2017-08

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続・罪 (2)

 

「もしもし、あ、お兄ちゃん、私。」

「ああ、どうしてる?

ごめんよ、このところ、忙しくしてて・・・」

「そう、忙しいの?」

「来月には、行けると思うから・・・

すまんな、寂しくさせて。

何か要る物あったら、持ってくよ。」

「ううん、別にいい。」

電話を切ってから、しばらく、談話室に座っていた。

義姉さんの顔が、思い出される。

いつも、私を見る目が、どう好意的に解釈しても、「邪魔者」と、言ってるようにしか見えない。

義姉さんの手前、あんまり足繁く、ここに来られないんだって事も、おおよそ見当が付く。

お母さん・・・

お母さんが生きてれば・・・

もう、ちょっと、あれよね。

二人とも、なんで、あんなに早く逝っちゃったのよ。

 

「ねえ、ねえ、ってば。

ちょっとは、私、見てよ。」

いやよ、いやあ。

****なんて、見たくない。

「ひどいわね。

どんな姿になっても、私は私じゃない。」

違う、違う、あなたじゃない。

「入れ物が、壊れちゃっただけで、中身はおんなじじゃない。」

・・・・・

「私、すごく、寂しいの。

私が死んだって、誰も悲しんでなんかくれないし、死んでくれてよかったって、思ってる人もいるのよ。」

・・・・・

「私だって、何も好き好んで、あんな人生、選んだ訳じゃないのに・・・」

・・・・・

「ねえ、あなたなら、解ってくれるでしょ。

ねえ、ねえ、ったら。」

可哀想だとは思うけど・・・

「だから、ここに居させて、お願い。」

・・・・・

 

 

「やあ、元気してたか?

あ、いや、病人に言う言葉じゃなかったな。

どうだい、少しはよくなってるかい?」

「よくわかんない。

よかったり、悪かったり・・・

でも、発作の回数は減ったみたい。」

「じゃあ、よくなってるんじゃないか。

主治医の先生も、このまま、よくなっていくようなら、退院もそう遠くないって、仰ってたよ。」

「退院?

退院するって、私、どこに帰ればいいの?」

「そりゃあ、うちへ来りゃいいだろ。

なんなら、一部屋、建て増ししてやろうか?」

「いいわよ、そんな、お義姉さんに悪いじゃない。」

「何も遠慮なんかしなくたって、あそこはお前のうちじゃないか。

第一、もう奴の所になんか、帰れやしないし、

俺も、お前をあんな奴んとこへ、二度と行かせたくないし・・・」

「お兄ちゃん・・・」

「心配するなよ。

お前は、幸い子供もまだだし、これから、いくらだって、やりなおせるんだから。

あ、そうそう、お前の好きなチーズケーキ、買って来たから、いっしょに食べよう。」

「あら、嬉しい。

何か、飲み物買ってくるわ。」

自販機の前まで来て、ふと、彼女の事を思い出した。

硬貨を入れて、ボタンを押そうとした時、私の指が触れるより先に、レモンティーの文字が赤く点灯した。

え?

ガタン・・・と、ペットボトルが取り出し口に落ちて来た。

やだ・・・

もう一度、硬貨を入れてみた。

今度は、なんともない。

なんだ、気のせいね。

そうよ、そうに違いない。

 

 

「なによ!

知らん顔しちゃって・・・

わかってるくせに・・・」

あー、やっぱり、気のせいなんかじゃなかったんだわ。

「あなた、この先どうするつもりなの?

なにか仕事とか、宛はあるの?」

・・・・・

「実家に帰っても、居ずらそうね。」

・・・・・

「ただ生きてたってしょうがないんじゃない。

今のあなたと、今の私と、どこに違いがあるって言うの?」

・・・・・

「いっそ、私の所へ来たほうが楽なんじゃないかしら。

ね、そう思わない?」

・・・・・

 

「お前、俺のせいだって言うんじゃないだろうな。

なんとか言えよ。

なんだよ、その目は・・・

いつだって、被害者面しやがって、まるで、俺が悪者みたいじゃないか。

俺の気に入るようにしないお前が悪いんだぜ。

苛められたみたいにいうなよな。」

最後に私を殴った時、夫はそう言った。

じゃあ、どうすればよかったって言うのよ。

私、できるだけの努力はしたわ。

もう、疲れ果てて、何にもできなくなるくらいに、ね。

ここに運ばれてきた時、ほっとしたわ。

これで、もう、ひどい目に合わされずにすむって・・・

私は、あちこち、怪我してたし、精神的にも限界だった。

カルテには、なにやかや、いっぱい書き込まれていった。

外科で、怪我の治療をして、内科でも、いろいろ調べられた。

結果、精神科へ移された。

カウンセリングを受けて、抗鬱剤とか、安定剤とか、飲んで、なんとか、平常心を取り戻しつつあるってとこかしら。

こんな状態で、退院したって、どうしたらいいか、わからない。

働くなんて、当分無理だし、だって、人と会うのだって、嫌なんだもの。

 

 <つづく>

 

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昌子

Author:昌子
パニック障害と不安障害になって、
10年が過ぎました。
大量の薬、副作用、家庭環境、
精神的虐待、自虐的心理状態・・・
などと闘ってきました。


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