夢の欠片ーパニック障害な私ー

パニック障害と不安障害を抱え、 なんとか生きている私の日常。

2017-10

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母の幻想


母は、11、12日と、二晩、帰宅することになっていた。


最初の晩は、普通に家に入って来て、夫に話かけていた。


「マサコさんは、どこ?」


「え・・・昌子は、ここにおるよ、ほら」


「違うが、これじゃぁないんじゃ」 と、私を指さす。


は~、「これ」・・・っすか?


私って・・・


「私とおんなじくらいの歳のマサコいうんがおるじゃろう?」


「そんな人は、おらんよ


おばあさん、写真、見ようか?


昌子の写真・・・」


「ふ~~~ん・・・」


母が、帰って来るたびに、繰り返される夫との会話。


夫は、さぞや私が、悲しかろうと、思いやってくれている。


涙が出る程、うれしい・・・よ。


ありがとう・・・でも、もう無理だ。


母に、私という娘を、認識させる事など、できる筈もない。


母は、現実の中には、もう棲んでいないのだから・・・


12日、送って来てくれた施設の車から、降りようとしない。


私は、寝ていたのだが、夫に起こされ、玄関に出てみた。


「私は、マサコさんを探しにいかにゃあいけんのんじゃから・・・」


と、繰り返すばかりだ。


どんなに、説得してみても、頑として受け付けない。


スタッフの方は、困惑し、施設に電話をかけた。


「それじゃあ、今日は、もう、施設の方へ、泊っていただきますから・・・」


という事になった。


何分、他に術もない。


私たちは、彼に重々お詫びを言って、連れ帰ってもらった。


母には、もう、私は必要ないのだろう。


いったい、いつから、母はこんな風になってしまっていたんだろう。


私を育てている間は、確かに、母親であった。


容赦ない教育ママだった。


私が長じてから、だんだんと変わっていったのかも知れない。


しばしば、人間にとって、現実を直視する事が、


とんでもなく、苦痛だったりする。


人一人の力では、到底、解決できそうもない状況に、


否応なしに、追い込まれてしまった時、


人は、逃げたいと切望する。


それは、人によっては、諦めであったり、憎しみとなったり、


無差別な攻撃であったり、あるいは、自虐・・・が、昂じて、


発作的に死を選んだりする。


母は、幻想空間へと、逃げたらしい。


そして、いつの間にか、現実と幻想の境が、なくなってしまった。


その世界の中に、創り上げたマサコという人物を、


自分の理想とする人物像を、探し続けるのだろう。


こんなにも、滅私奉公してくれた娘の存在すら、認める事もできず、


自分の今の状況が、こんなにも、幸せであるという事も、


認識できないまま、母の意識は、彷徨い続けるのだろう。


憐れだと思いこそすれ、もう、母に対してなんの悪感情もない。


私にとっての大きな荷物は、やっと、消滅した。


今や、私の心は、私のものであり、真に自身の人生を生きている。





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テーマ:パニック障害(PD) - ジャンル:心と身体

コメント

1 ■まだ

恨んでいるみたいね(笑)。

言の端に出てる(笑)。

もう少し時間がかかるのかな。

2 ■私の母も

認知症なんです。ですから介護がどんなに大変かはよ~くわかります。もっとも母は足が悪いので徘徊こそしませんが、年々認知がひどくなって
きて、私を誰だと思っているのか敬語をつかったり、まともに会話が成り立たなくなってきております。とてもしんどいし、なによりも悲しいです!

3 ■ヒョンちゃんへ

あら~~~;;;
お見通しですね~~~
あはは・・・
そうかも・・・(^▽^;)

4 ■さらさんへ

それは、大変ですね;;;
親が老いていくのを、見るのは、辛いですよね。

私は、母から、精神的虐待を受けていました。
正直、認知症になってくれて、有難いと思っています。
もう、母の姿を、見たくありません。
この病気の原因ですから・・・

5 ■Re:さらさんへ

>昌子さんへ

私も母の介護がつらくって パニックになってしまったんです。
昔は母があまり好きではありませんでした。
今でも 母を心のどこかで憎んでいるのかも・・・

6 ■さらさんへ

そうなんですか~~

でも、そんな自分を責めないでくださいね。
誰にでも、なんらかの、負の感情があって、当たり前ですから~

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Author:昌子
パニック障害と不安障害になって、
10年が過ぎました。
大量の薬、副作用、家庭環境、
精神的虐待、自虐的心理状態・・・
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