夢の欠片ーパニック障害な私ー

パニック障害と不安障害を抱え、 なんとか生きている私の日常。

2017-08

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眠りの街 (1)


ここは、どこなの?

私、どうして、こんな所にいるのかしら?

突然、私は、見知らぬ街角に立っていた。

なんだか、おとぎの国みたい・・・

いろんな家が、並んでいるが、どれも、一風変わっていた。

丸っこい家、三角の家、瓢箪型の家、船の形、テレビ、林檎、魚、井戸、風船、飛び出す絵本、切り株、トンネル、どれも家だった。歩き回っているうちに、ブーツ型の家が、見えてきた。

ふと、立ち止まると、後に人の気配がする。私と同じ年恰好の(と言っても、私、一体、いくつなのかしら?)、女の子が立っている。

「あら、私、ここが空いてるって、聞いて来たの。あなたは?」

え?・・・

「わからないの。

来たばかりで、ここって、どこなのかしら?」

「あなた、案内所に寄らなかったのね。

早く家を見つけなきゃ、眠れないわよ。

ほらっ、もう日が暮れるもの。」

今しがた、真上にあった太陽(かしらね?)が、もう山際まで迫っていた。

「もう、時間がないわ。

ね、いっしょに入りましょ。」

と、その娘は言った。

「早く、急がなきゃ、暗くなる前に、入らなきゃ、取り残されちゃうのよ。」

何が何だか、わからないまま、私はその娘と二人で、ブーツの家へ入っていった。

ブーツの編み上げの紐を、よじ登って、上から入るのだった。

天井はない。

あっという間に、空は暗くなり、星が瞬き出した。

星たちは、色とりどりの金平糖にそっくりだ。

「さっ、寝ましょ。

ベッドが一つしかないけど、いっしょに入れるでしょ。

私、アンナっていうの。

あなたは?」

「私? 私、誰なのかしら?

忘れちゃってる。」

「ああ、よくある事よ。

自分で勝手に、名前、付ければいいの。

みんな、そうするのよ。

中には、覚えてる人もいるらしいけど・・・」

「じゃ、アンナも?」

「そう、考えたの。いい名前でしょ。」

「私は・・・私は、マノン!」

「きゃっ、素敵、いいわよ。

とても、似合ってるわ。」

「そう? ありがと。」

こうして、私たちは、一つのベッドに、寄り添って眠った。


いったい、どれくらい眠っていたのか、わからない。

ずいぶん、長い時間、寝てたような気がする。

「ね、マノン、起きて。」

「え、あ、朝なの?」

「朝と言えば、朝だけど、昼とも言えるわね。」

そうなの?

「さあ、どうする?

マノン、ここでいっしょに暮らさない?

それなら、もうひとつ、ベッドが要るしね。」

「あ、そうね、ここで、いっしょにいられたら、嬉しいわ。」

「まあ、私も嬉しい。

じゃ、急いで、探しに行かなきゃ。」

「ああ、ベッドね。」


私たちは、人通りの多い道を、どんどん歩いて行った。

どこへ行くのかしら?

どこって言ったって、私、どこも、知らないんだったわ。

やがて、「夜具山」と書いた道標が立っている坂道に差し掛かった。

登って行くうちに、道の両側に、いろんな「夜具」が並べてある。

すっごく大きな鉄製のベッド、ちいちゃなベビーベッド、ハンモック、天蓋付きのお姫様みたいなベッド、ロッキングチェアー、寝袋、ほんとに、いろんな物があった。

「あなた、どんなのが好き?」

「んー、畳に敷くお布団、ないかしら?」

「ああ、そういうの、見たことあるわ。

もうちょっと、上の方じゃないかしら?」

山の中腹あたりに、畳や布団が、たくさん重ねてあった。

私は、中くらいの大きさのを選んで、家へ運んだ。

すると、もう、日が暮れ始めている。

「なんだか、一日って、あっという間ね。」

「ここでは、夜の方が、うんと長いのよ。

そう、ねえ、眠るための街なのかもしれない。

でも、もうすぐ、お祭りがあるから、その夜は眠らなくてもいいの。

っていうか、眠っちゃダメなの。」

「一晩中、起きてなきゃいけないの?

眠くなったら、どうすればいいのかしら?」

「そのために、みんな、いろいろ、考えるのよ。

その日のために、一年間、考え続けてるの。

いろんなゲームとか、ダンスとか、おもしろい本を探しておくとか、何かその日にする事をね。」

「じゃぁ、私たちも、何かかんがえなきゃ。」

「うん、そうね。

でも、明日は、ドレス探しよ。

お祭りの日に着るドレス。」

「ふーん、なんか、楽しみね。」



 <つづく>


 

 

 

 

 

 

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昌子

Author:昌子
パニック障害と不安障害になって、
10年が過ぎました。
大量の薬、副作用、家庭環境、
精神的虐待、自虐的心理状態・・・
などと闘ってきました。


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